争食:風にチクリと

 動画を見ると熱を帯びてしまう。パソコンが。CPUの限界という気がしないでもない。ときどき長いのを見ていると温度が上がりすぎてダウンする始末。酷使しすぎで、寿命を縮めてしまいそうな予感もする。
 そんなこんなで控えている動画の視聴。でも今日は、なかなか質の高い動画作品に出会ったので、メモがてら。
 さらっと見てしまうと、よくできたコマ撮りアニメーションでしかないのだが、妙にひかれてしまうのには深みもあるから。それにしても、このつくりこみ方が素晴らしい…。これからご覧になる人のために、とやかく言わない方がいいのかも。
TouristPictures:FOOD FIGHT
 日本の作品では風刺の利いたタッチの作品がランキングの上位に上がることが少ないような。政治家の発言をもとにしたものでも、単純な笑いにつなげるだけでそれ以上の深みはない気がする。反対にストレートに文字を打ってしまうものも散見されるのだが、ひねりがないと広がりがない。これは国民性なのか、短絡や楽観・悲観の類なのか。
 ここでどうしても期待してしまうのが、おばちゃんの力。ここ最近、関西のローカル番組で街頭ロケがやたら増えたと思う。大阪の商店街の買い物客の見事な返し、おばちゃん同士の素晴らしいボケと絶妙のタイミングでのツッコミ。正直なところ、若手芸人よりもおもしろい。彼女たちの巧さをクリエイティブに活かせたら、と思うことが少なくない。
 ただ、おばちゃんに限らず、素晴らしいものを放出していたりする素人さんも多い。ABCテレビが誇る高視聴率番組「探偵!ナイトスクープ」に始まり、よみうりテレビ提供の土曜夕方の定番「土曜はダメよ!」の「ギョーテン浪花コレクション:ナニコレ」も、特に素人パワー溢れるもので秀逸。(同番組の「小枝不動産」も、どうしてこの設計をしたのかと思える物件が満載で、プロの設計士だろうけど捻られすぎ漏れ来る笑いがあって抱腹絶倒。)
 この一週間、ハマってしまった感があるのが、素人Podcast。iTunesには重い・使いづらい・面白くないで困っていたのだが、いまさらながらPodcastは魅力的だと思ってしまった。ただ下ネタ満載のアンダーグラウンドな笑いを含みすぎているものも多くて、男女問わず見られるところには載せにくい…。(興味のある人はコメントかメールでお知らせを)
 ここで思うのは個人の情報発信の強さであるのだが、それに関連して気になるニュースがひとつ、週刊読売から続いた「読売ウィークリー」の休刊決定。月刊現代、論座、広告批評、主婦の友と、現代社会を捉え続けてきた数十年の歴史を持つ老舗雑誌が次々とピリオドを打とうとしている。インターネットとパソコン・ケータイという個人の情報発信力が強まるにつれて、「マス」に求められる力が変わってきたということではないか、と思う。それを善悪で評価することは、あまりに短絡的すぎる。だが、情報発信の方向性はどこへ行こうとしているのか、変質の内容が未だによくわからない。
 おそらく方向性は「ない」のではないだろうか。直感的なものの隆盛と熟考型のものの衰退、これは一定認められるかも知れない。自分自身もその流れの中にあるのだと思う。
 そこで注目したいのが風刺というカテゴリ。これは直感性の広がりと熟考性の深みの両方を持たなければならない。個人の価値観の尺度が一本化していきつつある中では、できる限り多元的なものさしを当てていきたいと思う。つまり、直感だけでなく他の物差しでも考えてみたい、ということ。反対に考えることに感じることをも足していくようにしなければならないと思う。その両方の方向性を合わせて一次元を二次元的に、二次元的な評価を三次元的にと広がればと考える。
※どうしてこう話がバラバラでまとまらないのか。
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