夜勤:形のない塊

夜勤上がりの家路というのは妙にハイテックジワジワだ。
飲み会明けの眠気に満ちたカラオケ帰りと比べてみると、
蛙が清水の舞台から深泥池に飛び降りるくらい心地よい。
そういう気持ちを「形のない塊」と呼ぼうと、思いつく。
「じゃまた今日会いましょう」と別れるお疲れ様の声が、
湿った朝の空気に包まれる爽快感と倦怠感の斜め向かい、
例えば半生のホットケーキのような甘さとダルさの間で、
こだまするかのように思い出されては複雑に混ざり合う。
眠いのかイキイキしているのかという境界を超えていき、
ただ形のない塊が自分の体と認識できなくなるのを待つ。
そういった受動態の厭世観が綻びを来たすところで就寝。
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